// プレビュー画面で非表示にするコード

栗田ゆう子の暴言は原作者の指定ミス? 美味しんぼ29巻『美味しい暗号』について

いまさら気づいたことがある。栗田ゆう子のセリフにまつわる違和感についてだ。

『美味しんぼ』第29巻・表題作「美味しい暗号」の冒頭。タクシー車内にて。引用画像は原作本72ページ上段。1991年初版。1994年13版。

美味しい暗号 栗田ゆう子セリフ

『美味しんぼ』には、原作者と作画者がいる。分業制である。栗田ゆう子の「下品発言」について、おれは「原作者による指定ミス」を疑っている。

「美味しい暗号」は、松川の後輩が頭を悩ませている「グルメ暗号」を、山岡と栗田の力を借りて解読しようとする話。

松川政男は、東西新聞社の政治部に所属する男性記者である。推定年齢は40代。政治部のエースであり、政治部部長にいちばん近い男という社内評がある。つまり松川はエリート記者である。

いくら親交があるとはいえ、文化部の若手社員にすぎない栗田ゆう子ごときが軽口を叩ける相手ではない。そもそも栗田ゆう子は礼儀正しいキャラクターである。違和感がある。

で、やっぱり松川さんみたいに下品な人ですか?

松川に対する「下品呼ばわり」は、いかにも山岡士郎が言いそうなセリフである。このとき山岡もタクシーに同乗している。コマでは「栗田ゆう子の発言」だが、本来は「山岡士郎の発言」だったのではないだろうか?

一方において「セリフの指定ミス」と決めつけることができない材料がある。過去エピソードにおいて松川は、山岡&栗田コンビにさんざん世話になっているのだ。

第03巻「昼メシの効果」では、政局に関する大スクープを得た
第10巻「フライドチキン」では、松川夫妻の離婚危機を回避した

もしも栗田ゆう子が舐めた口をきいたとしても、松川にとって、それを笑って聞き流すくらいわけはない。けっして小さくない恩義があるからだ。そして、松川には「デリカシーに欠ける。自分はガサツな性格だ」という自覚があるので、普段から「からかわれ」慣れている節もある。

栗田ゆう子の「下品呼ばわり」セリフは、一見すると違和感を覚えるかもしれないが、両者の関係性を鑑みた場合、かならずしも「原作者の指定ミス」とは断定できないのである。はたして……。(この記事は、後日アップデートするかもしれない)

当記事を書くにあたって 東西新聞社 – Wikipedia を参照した。このような項目があることを初めて知った。おどろいた。