マスク餓鬼と水漬けパスタ

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静まりかえった地獄

行きつけのディスカウントストア。平日の昼なのにやたらお客が多い。怪訝に思っていると、使い捨てマスクのゲリラ販売がおこなわれていた。

腰の高さほどあるワゴンに中高年の男女がむらがり取り囲んでいた。ほかのお客である子連れの女や年寄りたちは、指定感染症クラスターを避けるように店外で待機しており、格子ワゴンのまわりに密集しているマスク餓鬼どもが立ち去るのを見届けようと待ち構えていた。

押し合いへし合いするマスク餓鬼どもは袋売りのマスク製品ひとつひとつを手に取って吟味していた。ワゴンのなかに顔を突っこみかねない勢いである。前かがみでワゴンのなかをかき回すさまが浅ましい。遠目からパッケージをみたかぎりでは製造メーカーに一貫性なし。たとえばシルバーとケバケバしいブルーやピンクのデザイン。あれはユニ・チャームの『超快適』シリーズだろうか。それとも興和の三次元マスクか……。

時勢であるからマスク餓鬼どもはマスクをしていた。
時世であるにもかかわらず至近距離にて互いの肩をいからせて押し合いへし合い。

餓鬼ども、声を立てずに、三密のうちふたつ(密集・密接)をもろともせずに、目のはしを釣りあげた顔つきでマスク製品の山をかき分け奪い合っていた。ひとつひとつパッケージが異なる。急遽よせ集めたのだろう。

畜生ども、右手に取ったパッケージを見つめたと思いきや、ほかの製品に左手をのばす。しかも素手である。ピンからキリいずれかを見極めるつもりなのか。1人1限であるから、おのれにとっていちばん損のないものを満足いくまで吟味したうえで購入したいという腹づもりなのか。まことに浅ましい連中である。

おれはクラスターを避けて店の奥へ向かった。
ヒガシマル食品の『ちょっとぞうすい(かに)』を買った。日が経ちすぎた冷凍の白飯はこれを使えばおいしく食べられる。

水漬けパスタ

乾麺パスタを水にひたす。漬ける。どっちだ。2時間ほど。ゆでる工程をはぶくための調理法である。

省く。これは正確ではない。短縮できる。ゆで時間を。
じつをいうと、水漬けパスタはそのままでは食えない。わりと細めの1.6mmであっても芯が残るからだ。水やトマトソースで炒めたときに熱を加えたら食べごろになる、という寸法だ。

水漬けパスタの利点

調理時間の短縮……ではない。
いちばんのメリットは「冷凍するためのパスタを手軽につくれること」だ。

具体的には「茹でる工程がない」ので「湯切りするためのザルがいらない」こと。
つまりパスタを食べるたびに鍋や湯切りザルを洗わなくてもいい。300グラムをまとめて水漬けにすれば、1人前の冷凍パスタ(100グラム)を作り置きできる。ひとりぼっちの最適解である。

おやつカルパスとほうれん草のスパゲッティ

つくるのは楽しい。食べるのはうれしい。片付けるのは面倒くさい。
一人前の料理であればなおさらだ。簡潔にしたい。

材料

ヤガイのおやつカルパス 3本
セブンイレブンの冷凍ほうれん草 1/3袋


ヤガイ おやつカルパス 50本

つくりかた

キッチンハサミでカルパスを三等分にする。3本つかう。
フライパン。オリーブオイルで炒める。
カルパスの表面に焼き色がついたら、あらかじめレンチンしておいた冷凍ほうれん草もいれて炒める。
水漬けパスタと少量の水をいれる。ゆでるように炒める。
パスタの白っぽい表面が黄色っぽくなったら食べごろ。好みの調味料で仕上げる。できあがり。

セブンの冷凍ほうれん草
税抜100円にしては量が多い。味も歯ごたえもわるくない。お気に入りである。