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KDP作品の極私的ランキング(つんどく速報2014年07月に担当したもの)

2016年7月4日

2014年7月は、15作品をレビューした。

2014年07月 : つんどく速報(電子書籍の感想・レビュー) – 電子書籍の個人出版を応援するレビューサイト

三段階評価の意味

……実力と才能を感じた
……水準に達していた
……着想は良かった

「作品(Contents)」を相対評価したものだ。「著者(Author)」を絶対評価したものではない。おなじ作者であっても成果物の品質や完成度にはゆらぎがある。

第1位


そせじ(1)
山野一(著)
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第2位


アドラメレクの聖域
優騎洸(著)
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第3位


ごくつぶし
不狼児 (著)(著)
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2014年07月の総評

第1位の山野一は、1980年代に『月刊漫画ガロ』で商業デビュー済みの漫画家である。今回紹介した『そせじ』はいわゆるボーンデジタルであり、しかも商業出版社は関わっていない。エログロばかり描いていた鬼畜漫画家が、再婚して双子をもうけたのち「育児マンガ」を描きはじめたことが、発表当時ネット民のあいだで話題になった。

著者の遍歴については 納品原稿ランキング(フムフム2016年02月に担当したもの) に詳しく書いた。

第2位の優騎洸は、ミステリ系小説新人賞における最終候補常連のインディーズ作家である。今回紹介した『アドラメレクの聖域』は、犯人が意外である。優れている。LINEのようなチャットアプリが登場するのが現代を背景にしたミステリ小説ならではだ。

第3位の不狼児 については、KDP作品の極私的ランキング(つんどく速報2013年04月に担当したもの) にて詳しく紹介している。セルフパブリッシングによって見出された得がたい才能の持ちぬしだ。

第6位の汀こるものは、メフィスト賞作家である。2008年に『パラダイス・クローズド THANATOS』で受賞している。今回紹介した『アリス入城(THANATOS水槽読本より)』は、デビュー作である『THANATOS』シリーズの外伝小説を、著者みずから同人誌として発行したものだ。はじめに紙の同人誌で発行して、電子書籍データを gumroad で有料配布していた。現在は、KDPを利用してKindleストアで販売中。

ちなみに、著者の最新シリーズである『レベルxx』シリーズをあつかった小説同人誌もKindleストアで配布中。

第7位の水池亘は、萌え四コマ漫画の研究家である。ライトノベルを書いてもうまい。今回紹介した『メロンだったら良かったのかもしれない』は傑作である。優れている。才能がある。

第8位の折羽ル子は、イラストレーターであり漫画家であり小説家でありLINEスタンプクリエイターである。それでいて器用貧乏ではない。すべての技能が水準を超えている。

折羽ル子のLINEスタンプリスト

今回紹介したのはイラスト集だが、ストーリーテラーとしての折羽ル子を知りたければ『カラテネコ対ウサギロボ』をオススメする。「救いようがあるエログロナンセンス」という類まれな世界観を楽しめる。著者は心根がやさしい。(敬称略)

ストア削除(著者による販売停止)の牟礼鯨については、以下のリンク先にくわしい。

Amazonが『南武枝線』を販売停止にした件(西瓜鯨油社) | ガジェット通信

Amazonが『南武枝線』を販売停止にした件 : 西瓜鯨油社

小説の紙面を数行以上にわたって空白にするという「小説的演出」を、Amazonが「落丁本」扱いしたことに端を発する。無粋な出版システム業者に対して抗議をおこなうために著者みずからストア削除を決断した。

牟礼鯨という作家は、日本版KDP以前からインディーズ出版活動をおこなっている。電子書籍版のほかに、「伝統的な出版」つまり紙の単行本を文学フリマや書店で頒布している。

件の「空白」演出は、筒井康隆『虚人たち』においても用いられた芸術手法である。巻末に「※本編中の空白は文学的演出によるものです」と断り書きを添えれば解決したのかもしれないが、そのような妥協を文学者に強いるのは野暮の極みだ。おれは牟礼鯨を支持する。

第4位


欠落少女コレクション
神尾アルミ(著)
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第5位


バタフライダンスにSAYONARA
寺澤 晋吾(著)
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第6位


アリス入城(THANATOS水槽読本より)
汀こるもの(著)
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第7位


メロンだったら良かったのかもしれない
水池亘(著)
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第8位


絵本版ザ・ワル子さん大暴れの緋色
折羽ル子(著)
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第9位


鋼鉄の茨姫
大滝 晶子(著)
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第10位


隣に丑子さん
カズハセ(著)
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第11位


アメリカで知った日常英語
Riho(著)
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第12位


耳と尻尾の狭間にて (電子書籍普及委員会)
犬吠埼一介(著)
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第13位


マイアと銀の翼: シルバー・ウィング(改)
神野 淳一(著)
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第14位


菩薩の山 天顕祭
白井弓子(著)
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対象外(ストア削除のため)

南武枝線
牟礼鯨(著)
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