KDP作品の極私的ランキング(つんどく速報2014年01月に担当したもの)

2016年11月12日

2014年1月は、13作品をレビューした。

2014年01月 : つんどく速報(電子書籍の感想・レビュー) – 電子書籍の個人出版を応援するレビューサイト

三段階評価の意味

……実力と才能を感じた
……水準に達していた
……着想は良かった

「作品(Contents)」を相対評価したものだ。「著者(Author)」を絶対評価したものではない。おなじ作者であっても成果物の品質や完成度にはゆらぎがある。

第1位


マイナビ文庫 トコノクボ くじけない心の描き方
榎本よしたか(著)
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第2位


映画『パシフィック・リム』をより語るために ~特撮と映画の視点から読み解く~
羽生えるざ(著)
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第3位


メインディッシュはあなたに: 熱血フレンチ恋愛ミステリー
朱郷慶彦(著)
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第4位


夜の半分
青井由(著)
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第5位


ザ・浅草芸人 中二階の男チャンス青木
山中伊知郎(著)
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第6位


端編集1
網葉きよら(著)
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第7位


モノを捨てよ、散歩に出よう
鳥居 とり(著)
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2014年01月の総評

第1位の榎本よしたかは、現役の法廷画家である。大手テレビ局(TBSなど)のニュース映像で使われる「被告イラスト」を描く仕事だ。本業はイラストレーターであり、苦労していまの地位を気づきあげた。才能があったのはまちがいないが、それでも度重なる不運に負けずに良い仕事をし続けた。見習いたいものだ。結婚している。パパである。

今回紹介した『トコノクボ』は、逆から読めば「ボクノコト」になる。自伝的マンガである。はじめ自分のウェブサイトで無料公開していた。完結したのちKDPを利用して販売した。その後、マイナビの出版部から声がかかって商業流通の紙本になった。もちろん電子書籍版もある。

第2位の羽生えるざは、映画『パシフィック・リム』の非公式解説本を書いた。映画秘宝にも負けないほどの充実した内容である。監督を務めたギレルモ・デル・トロは日本の特撮映画からの影響を公言している。本書は特撮ファン・特撮マニアの観点からも『パシフィック・リム』を解説している。優れている。

第3位の朱郷慶彦は、クライマックスびっくり小説家である。ネタバレに細心の注意が必要だ。はじめKDPを利用していたが、のちに出版社を設立して(?)、商業作家として活動している。今回紹介した『メインディッシュはあなたに』は、いわば三谷幸喜『王様のレストラン』における松本幸四郎と山口智子の関係を小説家したようなものだ。生意気な若き女性シェフの成長物語……最期はハッピーエンド……と思いきや……と思いきや! 読めばわかる! 優れている。

現在、朱郷慶彦は「がん闘病中」である。講談社のニュースサイトにおいて手記を連載している。

働き盛りのがん闘病記?ほぼ同時進行ドキュメンタリー(1) 「まさか、このオレががん?」  | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

働き盛りのがん闘病記?ほぼ同時進行ドキュメンタリー(2) 「ちょっと待って!いきなり入院と言われても…」  | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

がんを宣告されて、あなたの身に起こる10の出来事 働き盛りのがん闘病記?ほぼ同時進行ドキュメンタリー(3) | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

がんになったら、誰もがいきなり直面する難問?標準治療か代替療法か、それが問題だ 働き盛りのがん闘病記~ほぼ同時ドキュメンタリー(4) | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

第4位の青井由は、「小説家になろう」系の投稿サイト「ムーンライトノベルズ」出身の作家である。今回紹介した『夜の半分』は、2ヶ月間で300万ページビューを記録したという「大人の女性のための恋愛小説」である。かみくだいて説明すると、正統派の乙女ゲームのシナリオみたいな感じ。女性向け小説といえば吉屋信子か今野緒雪くらいしか読んだことがないおれのような中年男性でもおもしろいと思った。まさに正当派の書き手である。優れている。

第5位の山中伊知郎は、チャンス青木の評伝を書いている。漫才コンビ「ナイツ」が一時期よくネタにしていた東京浅草の師匠「チャンス青木」本人に取材するなど、お笑い研究に欠かせない一冊である。ちなみに、チャンス師匠はビートたけしと同年デビューだ。言うまでもなく生涯年収は月とスッポンだが、いまだに活動し続けているのはすごい。

第6位の網葉きよらは、ホームレス経験のあるインディーズ小説家である。宇宙やハードではないSFテイストの小説を書いている。おれが好きな「奇想」系の作風である。優れている。

第7位の鳥居とりは、当世流行中のミニマリズムとは趣(おもむき)を異にする「捨てたい病」のインディーズ作家である。女性である。今回紹介した『モノを捨てよ、散歩に出よう』と続編『モノを捨てよ、散歩に出よう ふたり暮らし編』は、2014年10月に発売して以来、毎日売れ続けているようだ。日本版KDPにおける代表的ロングセラーといえる。

以前 納品原稿ランキング(フムフム2015年09月に担当したもの) で紹介したKDP出身のミニマリズム本『必要十分生活』(作者は男性)も商業出版後に重版を重ねているそうだから、『モノを捨てよ』シリーズもまとめてから加筆して街の本屋に並びそうなものである。大和書房さーん! こっちですよー!(敬称略)

第8位


クレイフィッシュ/ブルー(上)
飯田譲治(著)
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第9位


デイズ・オヴ・ホミサイド
弾射音(著)
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第10位


イタコに首ったけ!
きうり(著)
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第11位


まちる通りの殺人
門屋 亮(著)
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第12位


血を研ぐ
大島圭一郎(著)
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第13位


寝型のすゝめ
ぴろし(著)
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対象外(ストア削除のため)

強請屋ドットコム
夏居暑(著)
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