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KDP作品の極私的ランキング(つんどく速報2013年09月に担当したもの)

2013年9月は、15作品をレビューした。

2013年09月 : つんどく速報(電子書籍の感想・レビュー) – 電子書籍の個人出版を応援するレビューサイト

三段階評価の意味

……実力と才能を感じた
……水準に達していた
……着想は良かった

「作品(Contents)」を相対評価したものだ。「著者(Author)」を絶対評価したものではない。おなじ作者であっても成果物の品質や完成度にはゆらぎがある。

第1位


潜入日記 The Diary of an Undercover Detective
秋元 カズヤ(著)
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第2位


440Hz -1978-: (ギター小説『440Hz』シリーズ)
澤 俊之(著)
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第3位


弾道
戊乱 凛斗(著)
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第4位


最後の夏山
谷山稜(著)
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第5位


人類を養殖している生物がいる
アラン・イシコフ(著)
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第6位


いとしの小さな殺人鬼
皮算積人(著)
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第7位


ポメラの本
Outliner 伊藤 崇(著)
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2013年09月の総評

第1位の秋元カズヤは、自然主義作家である。インディーズ小説界のエミール・ゾラ。装幀には、本人が製作した油彩画をもちいている。2016年5月現在、Kindleストアにて96タイトルの長編小説や短篇小説を販売中。前衛的な作風だが、難解のための難解というひとり合点の作品ではない。すべて良作傑作というわけではないが、商業出版物ではあまりお目にかかれないストレンジな読書体験を楽しめる。今回紹介した『潜入日記』は傑作だ。中編小説。おもしろさを保証する。

第2位の澤俊之は、ハードロック/ヘヴィーメタルを愛するインディーズ小説家だ。当然のことながらギターを愛している。昭和中期に「エレクトリック・ギター」という人造神器との邂逅を果たした青少年たちの人生におけるさまざまな瞬間を切り取った長短篇小説をひたすら発表している。

戦後日本の出版市場において「安保闘争」や「全共闘」などの大学闘争(学生運動)が一大テーマとして扱われていたように、「エレキブーム」や「バンドブーム」はもっともっと語り継がれるべきだと思う。どちらにも「夢想」と「挫折」と「転向後の人生」があるからだ。「あのとき本気で実現しようと思っていたことを嘘にしたくない」という諦めきれない気持ちは、大学闘争とバンドブームいずれかに関わった人々が死ぬまで自問自答し続けている命題ではないか……大げさに言ってみるテスト。

第3位の戊乱凛斗は、旧ソビエト連邦に実在した女子狙撃教育隊を扱っている長編小説を書いた。当時2000人もいたらしい。白い死神と恐れられたシモ・ヘイヘもちょっぴり登場する。KDPの隠れた名作である。

第4位の谷山稜は、思索的な山岳小説+凄絶ラブストーリーという新ジャンル(?)を達成した。山とセックスしかねない勢いで登山という行為に没頭している男に、現実の女が惚れてしまったから、さあ大変。こんなすごい小説はめったにない。Amazonレビューの低評価なんて無視すればいい。

第5位のアラン・イシコフは、宇宙的陰謀を知ってしまった男の手記……を装った「フェイク」ドキュメンタリー。トンデモ本ではなくトンデモ本を装った小説。強く印象に残っている。インディーズでこういうの読みたいんだよ。翻訳本ではない。著者名は日本人によるペンネームだと思われる。

第6位の皮算積人は、「魔法中年」シリーズという百合萌えなライトノベルも書いている。あちらが白皮算ならば、この『いとしの小さな殺人鬼』は黒皮算だ。おれは黒皮算シリーズのほうが好き。宿業が剥き出しである。

第7位の伊藤崇は、フリーライターや編集者を本業としているようだ。商業出版物には「POMERA」だけを扱った単行本やムックは存在しない。インディーズ出版ならでは。おれも「DM10」と「DM20」を所有している。ノートパソコンに向かいたくないときには取り出して使っている。(敬称略)

第8位


わーくしょっぷ [アンソロジー短編集]
晴海まどか(著),楢野葉(著),笹原祥太郎(著),これこ(著),山田宗太朗(著)
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第9位


煉獄街
大村吉高(著)
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第10位


空白からの手紙
里崎 充(著)
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第11位


除妖師
如月恭介(@KyouskeKisaragi)(著)
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第12位


LeLeLa
宇佐美ダイ(著)
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第13位


おばけだらけのあいうえお
ますや かつひさ(著)
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対象外(ストア削除のため)

電子書籍の個人作家たち Vol1~3
Mizuki(著)
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よいこの有害図書
星井七億 (著)
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星井七億については KDP作品の極私的ランキング(つんどく速報2013年07月に担当したもの) に詳しく書いた。インディーズ出版のあと商業デビュー済み。